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冬野由記
冬野由記
標高と緯度の高いところを志向する癖があります。そんなわけで、北国でのアウトドアや旅が好きになってしまいました。 旅の印象を絵にしたり、興が乗れば旅に携帯した笛を吹いたりすることもあります。
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2007年06月08日

安達太良山ある記(1)

 先日、登山が初めてという人をご案内して、安達太良山を歩きました。
 天気にも恵まれ、なかなかよい山行となりましたので、山歩きの記録ということで、山ある記を書かせていただきます。

 安達太良山は、福島県の名山で、登りやすい上に変化にも富んでいて、初心者や手軽に山を味わいたい方たちにもお勧めできる山です。岳温泉や塩沢温泉などが山麓にあって、日程に余裕があれば、麓の温泉宿も利用すれば旅としても楽しめるところです。
 いろいろなコースがあるのですが、今回は、岳温泉のさらに奥の奥岳温泉(あだたら高原スキー場があるところ)から、薬師岳経由というルートを採りました。
 初心者の方をご案内するのが目的でしたので、スタートは、あえてゴンドラで薬師岳まであがりました。薬師岳まで歩く手もあるのですが(それもお勧めですが)、最初にちょっとした一のぼりになりますし、疲労の具合によっては、先のコースに難が生じるかも知れません。とにかく、今回は「山頂に行けた」という達成感を持っていただくことを第一目的といたしました。
 さて、その薬師岳を、10時ちょうどに出発です。ゆっくり登ってもお昼前には山頂に着けるでしょう。

 (以下、クリックするとポップアップして大きな画面でご覧いただけます)

 
 ゴンドラの終点、薬師岳から安達太良山頂を望んだところです。
 ニッカボッカ(こういうタイプのズボン)と白いシャツというレトロなかっこうは、登山を始めてから四半世紀、私のトレードマークです。最近はニッカボッカをはいて登る人は減りましたねぇ。顔は・・・心霊写真ではありません。お見せするような顔でもないので・・・・(笑)

 智恵子の空(高村光太郎の「智恵子抄」参照)と安達太良山です。人が写っていないと、感じがまた違いますね。
 
 山頂の先っぽに岩塊があって、なだらかな稜線とあいまって、ちょっと女性の胸のようでしょう?
 安達太良山は、乳首山と言われることもあります。

 薬師岳から安達太良山頂までは、調子よく歩けば一時間くらいです。山道もそんなに険しい場所は無く、初心者の方でもハイキングくらいの疲れ方で登れると思います。
 山頂近くから、山頂を眺めたところです。

 
 遠くから見たら、なだらかで柔らかい感じですが、近くまで来ると「乳首」が岩塊であることがよくわかります。

 一応、山頂の記念写真です。
   
 登っているうちに、汗もかいて暑くなってきたのでシャツを脱いでしまいました。それでTシャツ姿になってます。私は汗っかきなので、日帰りペースでもTシャツを5枚くらい用意してきます。それに、上半身が汗で濡れたままにしていると、冷えたときに身体の疲労が激しくなるので「かなり汗をかいたな」と感じたら、早め早めにシャツを着替えることをお勧めします。乾いた風に吹かれて涼しいのは害になりませんが、濡れたからだが冷えると危険なのです。
 右端の写真で、岩塊の上に立っているのは私です。

 安達太良山頂で昼食をとるつもりだったのですが、同行した初心者さんも思ったよりペースがよく、昼食は少し先に行ってからということにしました。
 安達太良山から北に行くと、牛の背、馬の背と呼ばれている稜線を経て鉄山という山に至ります。

 
 安達太良山頂から、「牛の背」を見下ろしたところです。
 牛の背のむこうでは、左側に火口を見下ろすことができます。
 安達太良山は、おおきな火山の一角をしめている山で、火山は今でも生きています。

   
 牛の背あたりは、地面の色も、周囲の岩の様子なども、これが同じ山塊かと思うくらいに荒涼とした感じになります。奥岳登山口、薬師岳を経て安達太良山頂までは緑もあり、地面も普通の赤茶色ですが、山頂からほんの少しはずれただけで、地面は黄色みを帯び、荒れた地面、それに強い硫黄のにおいが立ちこめてきます。
 ちょっとしたB級SF映画なら、宇宙のどこかの星だとか、怪獣や超人が対決する舞台になりそうな景色になってきます。
 そして、お釜、つまり火口が左に見えてきます。

    
 いろいろな角度から「お釜」を撮ってみました。
 ついでに私も撮ってもらいました。
 なかなかすごいでしょう。ご案内した初心者さんは感動しきりでした。それに、怖いとも・・・
 こういったダイナミックな景色も味わえるので、安達太良山は初心者さんにはお勧めしたい山のひとつです。

 さて、牛の背を過ぎると、いったん少し下る感じで「馬の背」と呼ばれる、少し狭い山稜があります。ちょうど馬の背中のような感じで、左右が切り立った稜線なので、左に火口、右に谷を見下ろしながら、この標高としてはめずらしいほどダイナミックな景観を味わうことができます。

  
 左の写真は、牛の背の北の端から馬の背を望んでいるところです。切り立った岩山が鉄山です。安達太良山から、つい数百メートルで、こんなに貌(かお)の違う山があるのも安達太良の面白いところです。右の写真は、同じ場所から右側の谷を見下ろしたところです。

 さて、この馬の背を経て、鉄山にのぼって、その向こうあたりまで行く予定だったのですが、ここで初心者さんが躊躇しました。
 写真でご覧いただけるとおり、これから狭い稜線をやや下り、そのあと岩山をよじ登る感じになります。見た目よりも稜線の広さには余裕があり、天候もよいので、危険はほとんどないのですが、初心者さんからすると「両側が絶壁」に見えます。
 「大丈夫。いっしょに行きましょう」
とお連れすることも考えたのですが・・・
 「怖いですか?」
 「怖いです」
 「危険はないのですが、今回は見送りましょう」
ということにしました。
 危険はない、というのは事実です。強く「行きましょう」と言えば、たぶん行けたでしょう。
 ただ、「怖い」という気持ちが思わぬところで足をすくませ、普通に歩いていたら転ばないようなところで足を滑らせるかもしれません。大事に至ることはないでしょうが「やめておけばよかった」と思われては楽しくなくなります。山を好きになってもらって、「また来たい」と言っていただくのが目的ですから、
「次にとっておきましょう」
ということで、馬の背を目に焼き付けてから、牛の背に戻り、そこから下山コースに入ることにしました。

 牛の背から、鉄山の岩壁を左にみつつ下山するコースに入りました。このコースの途中には「くろがね小屋」という山小屋があります。牛の背を下るとすぐに低潅木や草が姿をあらわします。稜線をはさんで左(西)は火口で、緑の無い黄色い土。右(東)側は、緑。おもしろいほど、山容が違っています。
 くろがね小屋の手前、小屋のある谷をはさんで鉄山の岩壁を正面にながめるあたりで、ちょっと遅めの昼食を摂りました。
 目の前は、切り立った鉄山の断崖ですが、そのほぼ垂直ながけにも緑があり、花々が姿を見せています。

  

 ここも、なかなか味のあるスポットです。
 この谷の底にある「くろがね小屋」は、山小屋ながら、鉄山から湧き出す温泉の源泉をひいていて、なんと温泉に入れるという珍しい山小屋なのです。この源泉は山麓まで引かれて「岳温泉」の源泉として使われているのです。
 山慣れてくれば、こういった山小屋に泊まるのも楽しいものです。

 さて、昼食を済ませて、ちょいと岩笛を吹いたりしてから、谷に降り、くろがね小屋の前を通ってゆるやかな下り坂をひたすら下山しました。下山路は、沢筋の木々の間のだらだら坂を下るので、ちょっと退屈しますが、いろいろな花をみることができました。

    
 安達太良の花々です。

 山麓の奥岳登山口近くまで降りたのが午後二時。いいペースで歩いたのと、鉄山行きをパスしたことで、時間的にはかなり余裕があります。夕方は岳温泉に宿をとってあるので、あわてて帰る必要も無いということで、山麓の遊歩道に寄り道することにしました。
 この遊歩道が、なかなかすばらしかったのですが・・・続きは、また明日。


Copyright (c) 2007 Fuyuno, Yuki All rights reserved.




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この記事へのコメント
ほ~~~~。
あたしも登ったような気分になりました・・・。
冬野さんは背が高いのですね。それで、無駄なお肉がないみたいな。
うちのパートさんが毎週霧島などに登山に出かけていて「気持ちいいですよ、じゃらさんもどうですか?」と誘いますが・・・・。
おお、とんでもないです。その余力がございません・・・。

行く事もできるけど、次の楽しみに。

いい判断ですよね~。
同行者があたしなら「え~、行くの?」と内心思いながら引きずられるていくでしょう。そいで、こけるのです。ああ、目に浮かぶようです(;^_^A アセアセ・・・。
Posted by じゃらし at 2007年06月08日 08:33
冬野由記さまへ

私もじゃらしさんと同じく一緒に登山した気分になりました。
牛の背、馬の背、お釜と観光パンフレットでお馴染みですね。
さて岩笛とはどんな笛ですか?
葉っぱの笛ならわかるのですが、
まさか石を口にあてて吹くんでしょうか?
どんな音がするのでしょう。
これまた気になります。(笑)
何でも気になるYumeです。

南極観測鯛の本を読んだことがありますが
戻る勇気を持って欲しいとどこかに書いてあったような・・・
冒険は目的地に行く勇気と行かないと決める勇気が必要だと・・・
そうですよね。

写真を拝見して、またまたイメージは変わりました。
最初、凄いお若い方だと思っていましたが、お父様の記事を
読んであれっ、もう少し年上の方かなと思い、
また、今回の記事でやっぱりお若い冬野さんだと思いました。
Posted by Yume at 2007年06月08日 14:08
冬野 様

 ニッカボッカ懐かしいですねえ! 本当に最近はニッカボッカの人を見かけなくなりました。日本人の登山の服装はみんな同じだって聞いたことがありますが、たしかにそうですね。チェックのシャツに登山用ズボン。それに最近はみんな杖をついて。でも、人それぞれでいろいろな格好をしている人がいていいのに・・・と思います。

 私は、服装は気にしない方で、最近は登山のときはジャージばかり。歩きやすいし、濡れても早く乾くし。でも、ニッカボッカも衣装箱から引っ張りだして、また履いてみようかしら・・・。

 つづきの報告を楽しみにしています。
Posted by 松田まゆみ at 2007年06月08日 16:52
>じゃらし様

 背が高く見えますか? ふふふ。
 写真うつりがよいのです。写真だと背がそこそこ高く、立派な体格に見えるようです。
 実は「小顔」なのです。なので、背が高く、身体が大きく見えます。
 無駄な肉はあまりありません。体脂肪率16程度です。
 山歩きは、最高の有酸素運動ですよ。
 霧島もいい山だと両親が言ってました。両親は九州に住んでいたころ、いくどか登ってます。キャンプ道具一式持って高齢者登山を楽しんでいたのです。
 その名のとおり、霧が深かったりすると、途中で食事にして帰ったりしてました。山は諦めが肝心です。「せっかく来たんだから」が事故の元です。

>Yume様

 岩笛は、まるっこい石に穴がひとつ開いていいるだけの奇妙な笛です。
 口にあてて吹きます。
 角度を変えることで少し音程を変えられますが、曲というよりも音を楽しむ笛です。ちょっと日本の能管のような音がします。山や林には似合う音ですよ。吹くと、やっぱり鳥たちが騒ぎ始めます。
 戻る勇気、とくに同行者があるときは見極めが大切ですね。自分のことは体力や技術がある程度わかりますから、このくらいなら行ける、とかこれは危ないとかけっこう正確に判断できますけれど、同行者の状態はわかりにくいものです。今回の場合、体力も技術的にも問題はありませんでしたが「気後れ」していることが最大の危険要因でした。山に限らないことですが、気の持ち方が一番大切ですね。
 さて、私は年齢がわかりにくいとよく言われます。今回、山に同行した人も、夕食のときに年齢を聞いて驚いてました。
 私は何歳でしょうか。

>松田様

 みなの登山の服装が似通ってきたのは、多くの人が登山用品ショップで服から道具までそろえるからだと思います。
 昔は、ありあわせの古くなった服をよく使いました。寒さ対策などでは上等だけど傷んで着られなくなったコートなど重宝しました。
 私が登山を始めた頃は、このニッカは買いましたが、上は袖の傷んだワイシャツ、古くなったベスト、祖父からもらった半コートなどでした。
 ジャージは確かにいいですね。汗を吸ってすぐに乾くタイプのものもありますしね。


冬野
Posted by 冬野由記 at 2007年06月08日 21:29
冬野由記さまへ

今、気がつきました。

南極観測「鯛」のタイ・・・めでたいの「鯛」になっていました。
ホント、めでたいYumeでしょ?
「隊」に訂正いたします。

冬野さんの年齢?
ちょっとわからなくなりました。
年齢だけじゃなく、性別も最初わかり難かった冬野さんです。(笑)
う~ん、わかりません。
Posted by Yume at 2007年06月08日 22:02
安達太良山
こういう山でしたか。想像とは相当に違いました。
ずっと男性的でした。岳温泉は聞いたことはありましたが、
の辺りとは、全く知りませんでした。詳しく教えて
いただけて良かったです。安達太良山から阿武隈川も
よく見えるのでしょうか?

私、東京にいるとき、高村光太郎、智恵子それに光雲の墓の
前に偶然に出て驚いたことがありました。染井霊園とか
いうところだったと思います。
Posted by スー at 2007年06月08日 22:14
>Yume様

 字ちがいの妙は、PCならではというものがありますよね。

>スー様

 安達太良という名前は男性の名前ですが、山はなだらかで女性的ですね。
 阿武隈川は見えませんでした。
 東京に光太郎と智恵子のお墓があるんですね。染井霊園ですか? こんど機会があったら寄ってみます。
 でも、そういう偶然って、心に残るものがありますね。

冬野
Posted by 冬野由記 at 2007年06月09日 00:27
冬野由記さま

はじめまして
HIBIKIと申します

岩笛お持ちなんですね

実は僕も岩笛が欲しかったのですが
出会う機会もなかったので

趣味で自分でつくってしまいました
きちんと1オクターブ以上でて他の楽器とも
演奏できるんですよ
苦労しました~

もしお時間ありましたらブログに製作日記など
書いておりますのでのぞいてくださいませ
Posted by HIBIKI at 2008年11月02日 11:58
HIBIKI様

 コメントありがとうございます。
 岩笛をおつくりになるのですね。
 ブログも拝見いたしました。
 今のところ響きを楽しんでいるといった感じで、曲を吹くまではいってません。
 これからもよろしくお願いいたします。

冬野
Posted by 冬野由記冬野由記 at 2008年11月05日 20:56
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